小銃(ライフル)にまつわるエピソード~愛銃には名前をつけろ!~

陸上自衛隊に入隊すると必ず覚えることが「小銃射撃」です。自衛官である限りは銃の扱いになれ、射撃練度の向上に努めなければいけません。今回は小銃や射撃に関するこぼれ話を一部紹介をしましょう。

小銃の訓練について

自衛隊に入隊をした隊員には全員に小銃(ライフル)が渡されます。小銃は陸海空の自衛官が共通で使用する武器であり、射撃はもちろんのこと、手入れの方法や分解結合まですべてを教わります。武士が刀を「自分の魂」と言っていたように、陸上自衛隊でも小銃は「自分の命を守る相棒」として大切に使用するように教育をされるのです。なお小銃には一丁一丁識別番号があり、決まった小銃を「自分の小銃」として使っていきます。他人の小銃で射撃や訓練を行うことは原則ありません。ポケモンで例えるならば「小銃」は相棒のピカチュウであり、その小銃を扱う隊員は主人公のサトシと言える関係にあります。

防衛省HPより引用(https://www.mod.go.jp/gsdf/aonohara/blog/blog_05.html)

小銃は大切な相棒なので、もちろん大切に扱う必要があります。手元を滑らして小銃を地面に落とす、部品をなくす、錆びさせるなどはご法度です。銃をまたぐことも許されません。小銃を乱雑に扱うと銃身が曲がって射撃ができなくなり、暴発に繋がる危険性があるのでその点は特に口酸っぱく教育をされます。ますらおは自分を小銃や武器をしっかりと手入れし、常に万全の体制でいなくてはいけないのです。

小銃には名前をつけよう!

また陸上自衛隊の教育隊では物品愛護の精神とユーモアで「よ~し、お前らの小銃に名前をつけろ!」といわれることがあります。少し馬鹿馬鹿しいではありますが小銃に名前を付けることによって、より愛着を身に着けることができます。名前についてはなんでもよく「ジョニー」「ジェニファー」「ボブ」などの欧米風から「太郎」「マサル」などの純和風まであります。こうやって名前を付けておくと戦闘訓練などが終わった際に「今日のジョニーは調子が最高だったぜ!」や「喜朗はご機嫌斜めだ」とそれっぽい会話ができるようになります。私は防衛大学校の1学年のとき、小銃に「ポコ」と名付けていました。名付けた理由は仲良かった近所の犬がポコという名前だったので、そこからあやかって命名をしました。個人的には親近感がわく名前だったので良かったです。小銃に名前を付けると訓練が終わったあと「ポコがこんなに汚れちまって…きれいにしてやるからな」と孤独なハードボイルドのような気分になることができます。

はた目から見ると「バカじゃないの?」と思われるかもしれませんが「小銃に愛着を覚える」「しっかりと小銃を管理する」という側面でみれば、小銃に名前を付けることは有用だと言えるでしょう。なお小銃に名前を付けるのは入隊当初の教育隊に行われることがほとんどで、教育隊が終了した後の部隊配属後には名前を付ける人はほぼいなくなります。ただ稀にベテラン陸曹が「俺のジョニーはどこ?」と自分の小銃に名前を付けていることがあります。いい年をしたおじさんが小銃に名前を付けるのも陸上自衛隊の面白さと言えるでしょう。

ますらおは射撃ができて当たり前

陸上自衛隊では射撃も当然行います。入隊当初は「初めての実射訓練...下手をすれば命を失う...」という気持ちで射撃を行いますが、慣れてくると「あ~はいはい、小銃射撃ね」という気分になります。それほど陸上自衛隊では射撃訓練を行います。ただ、ますらおは射撃ができるだけではダメです。

防衛省HPより引用(https://www.mod.go.jp/gsdf/aonohara/blog/blog_05.html)

しっかり的に当てなければいけません。陸上自衛隊では毎年射撃検定があり、各隊員は検定に合格をする必要があります。検定課目としては伏射(寝そべった状態で行う射撃)、膝射(しゃがんで行う射撃)、立射(立って行う射撃)を主に行います。射撃についてはいろいろコツがありますが、よく言われるのが「ガク引きをするな」です。小銃は引き金を指で引くと弾が発射されます。しかし引き金を勢いよく引くとその動作で銃身にずれが生じ、200~300m先の的に命中をしなくなります。そのため引き金を引く際は「暗夜に霜が落ちるがごとく」ゆっくりと引けと言われるのです。ほかにも射撃のコツはたくさんありますが(見出しと照準、力を抜けなど)それらのコツを知らないと的に弾を当てることは難しいと言えるでしょう。

センスが問われる射撃

陸上自衛官にも「射撃がとても上手い隊員」と「まったく当たらない隊員」がいます。そして「ベテラン隊員だから射撃が上手い」、「新隊員だから下手くそ」というわけでもありません。射撃については確かにコツがありますが、センスが問われる点も多いのも事実です。なお本当に射撃のセンスがない人たちもいます。彼らは射撃場に行った際に自分の的ではなく、なぜか隣の人の的を撃っていたり、天井を撃ったりします。理由は「小銃射撃をすると極度の緊張に陥ってしまう」からだそうです。その一方で最初に行う射撃でビシバシに当てる新隊員も中にはおり、彼らは狙撃手要員になることもあります。ドラえもんの主人公ののび太くんは特技が「射撃」となっていますが、陸上自衛隊にも普段はボンヤリしているくせに射撃だけは抜群の腕前を見せる隊員はやはりいます。

なお彼らに「射撃のコツは何?」と聞いても「そんなの的狙って引き金引けば当たるでしょ」と全く参考にならない答えが返ってきます。そのため射撃のコーチは「まあまあ当たる隊員が行ったほうが良い」というのが通説となっています。また陸上自衛隊では小銃射撃の他にも拳銃、機関銃、無反動砲、大砲、ミサイルなども配属部隊によっては訓練します。兵器には新型と旧型があり、新型の兵器はシステム化されているので操作を覚えてしまえば差は出ませんが、旧式の兵器についてはアナログ操作が多く「○○1曹が射撃の神様!」など評されることがあります。いずれにしてもどんな兵器を使用しても、しっかりと命中させるのが「ますらお」言えるでしょう。

まとめ

射撃はコツがあるので練習をすれば当たります。

ただ素人が練習もせずに射撃をして200m先の的に当てることは難しいでしょう。

日々の練習が大切ですね。

おわり

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