知られざる陸上自衛官のアフター5①

最近では自衛隊の地位向上に伴い、テレビなどで「陸上自衛隊 大特集」などの番組がよく放送されるようになりました。その成果もあり、お茶の間でテレビを見ている方々にも、陸上自衛官への理解が深まってきた印象があります。

しかし人間だれしも「オン」と「オフ」があるように、自衛官にも当然「オン」と「オフ」があります。
今回は知られざる陸上自衛官のアフター5を紹介しましょう。

ドキュメンタリーは仮の姿に過ぎない

あなたがテレビで何かのドキュメンタリーを見ていたとしましょう。そこにはきっと目標に挑む真剣な表情の精悍な若者と、その陰にあるナイーブで傷つきやすい一人の繊細な素の姿、そしてプライベートの子供ような無邪気な表情など対比のように映しだし、その人の人間性について深く知ることができるでしょう。

しかし自衛隊の特集をした場合においてはそうはなりません。映し出されるのは国民の負託にこたえるために、厳しい訓練に挑む組織の一員としての姿です。たとえレンジャー訓練の「精神的にギリギリの場面」や「訓練外に清掃に励む場面」や「仲間と笑顔で食事をする場面」が放送されても、全てオンの姿なのです。テレビ・視聴者・防衛省が、三位一体となって望んでいる姿がオンモードの自衛官だからです。



そういった理由から鬼教官が学生から見えないところで、かわいい娘と「もちもち、ゆぃたんでちゅか?人参たべたの?えらいねぇ」と鼻を伸ばして電話してる姿などは決して見せてはいけません。それは求められていないからです。

もちろん「オフ」の姿は、決して悪いことをしているとかそんなわけでありません。自衛官も人間であり、労働者であり、一般市民です。勤務時間以外は仲間とモンスターハンターをする、野球を見ながらビールを飲む、大好きな彼女と夜のドン・キホーテに行き、胡散臭いブルーライトの置物を買うことだってあります。

つまり自衛官にも極めて人間らしい姿がそこにはあるのです。ただ、テレビには映し出されないだけです。我々がテレビで見る自衛官の姿は良くも悪くも作り上げられた姿なのです。それではオフの姿を紹介していきましょう。

陸上自衛官には営内者と営外者がいる。

陸上自衛隊は駐屯地で生活をする営内者、外で生活をする営外者に分かれています。入隊をすると全員営内舎で団体生活を経験をすることになります一兵卒で入隊をすると教育隊では大部屋に10名ぐらい同居する生活を送りますが、部隊配属後は3~4人部屋で暮らすことになります(ただ幹部候補生で入隊するとすぐに一人暮らしになります)

出展元 群馬地本(https://www.mod.go.jp/pco/gunma/shinmachi.html)

この話をすると「えっ、じゃあ一般の隊員はずっと駐屯地の中で生活するの?」と思うでしょうがそうでありません。3等陸曹に昇任後に結婚をする、もしくは30歳以上で2等陸曹まで昇任すると外に住むことになります。そのため自衛官は「営内生活が嫌だから結婚したい!」と思う人が多く、結婚年齢は早いです。

なお自衛隊に入隊する事を考えたときに「共同生活が嫌だ」という人も多いでしょうが、基本的に「教育隊の共同生活」と「部隊の生活隊舎」での生活は天と地ほど異なります。教育隊の生活隊舎とは修行の場であり、最低限の物しか持つことが許されないミニマリストとして生きていく必要があります。

しかし部隊の営内であれば整理整頓ができていれば、テレビやゲーム機などを購入して置くこともできますし、アイドルのポスターも営内点検の日以外は張ることはできます。ただしプロレスマニアが大仁田厚の金網電流デスマッチのポスターを張った場合は同居する先輩から「暑苦しいからやめろ」とありがたいご指導をいただくので注意いたしましょう。

陸上自衛隊は基本5時ピンである。

陸上自衛隊の仕事は基本的に5時ピンで終わります。もちろん担当業務がある隊員は定時で仕事を終えることができませんが、入隊1年目の隊員などは残業がない事が殆どです。これは陸上自衛隊の考えで「陸士には責任があるような係にはつけさせない、陸曹以上が責任を持つ」というところに起因します。

特に戦闘要員である普通科隊員は基本的に残業はなく、3時ぐらいにはその日の車両整備や機材整備などの仕事を終わることもあります。そして3時からは体力錬成の時間としてランニングや筋トレ、格闘錬成などを行います。体を鍛えるのも当然陸上自衛官の仕事なのです。たいていの場合4時半ぐらいに体力錬成が終わり、整理運動と発汗後の処置を済ませて国旗降下のラッパまで待機します。

その時間帯になると、やることのない人たちが缶コーヒーを片手に詰め所にあふれており、テレビを見たり、ジャンプを読んでいることもあります。早く帰りたくてソワソワしているオジサンもいます。犬みたいで可愛いですね。



そして「終礼集合~」という号令ともに、手持ち無沙汰のオジサンたちがゾロゾロと登場します。終礼を行い「課業終了」のラッパがなって一日が終了します。ラッパ吹奏に歌詞はありませんが隊員達が勝手につけた非公式な歌詞があります。課業終了の場合は「メシ♪ メシ♪ フロ♪ フロ♪ あとは寝るだけ~♪」です。ここから魅惑のアフター5が始まるのです。

しかし陸上自衛隊は巨大な組織なので、会計科のようなノルマのある職種もありますこの部隊に配属となり、簿記の資格などを持っていた場合は「世界一即戦力な男」と期待され、社畜ライフになります。また完全シフト制で24時間任務の部隊もあることも理解してください。「自衛隊は残業がありません!」というプロパガンダに騙されると痛い目をみます。

つづく

今回はここまでです。
ぱやぱやくんの投稿に「面白かったです~」と書くと、
続きがすぐに投稿されるようですよ~、はい~。

知られざる陸上自衛官のアフター5②

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