知られざる陸上自衛官のアフター5⑦

駐屯地の外に住んでいる陸上自衛官は、仕事が終わると我が家に帰ります。家に帰る際に徒歩で帰る人、電車や私有車で帰る人など、一般のサラリーマンと同様に様々な人たちが存在します。ただ、ますらおたちの通勤退勤は一味違います。今回はその辺りの事情について解説をしましょう。

バックナンバーは下記からご覧ください。

知られざる陸上自衛官のアフター5①

知られざる陸上自衛官のアフター5②

知られざる陸上自衛官のアフター5③

知られざる陸上自衛官のアフター5④

知られざる陸上自衛官のアフター5⑤

 

知られざる陸上自衛官のアフター5⑥

 

そもそも陸上自衛官はどこに住んでいるの?

駐屯地の外で生活をしている隊員は「官舎」と呼ばれる集合住宅に住んでいることが多いです。これは防衛省が自衛官のために作った社宅のようなものです。一般的に田舎駐屯地のボロボロの官舎は、月5000円ぐらいの破格の家賃で済むことができます。

それを聞くと「公務員はなんて贅沢な!」と怒る人も多いでしょうが、実際に5000円の官舎を案内されると、里山の麓にあるお化け屋敷のようにボロボロな建物であることが多いです。高度成長期の残滓を感じ、「あっ、やっぱり外で借ります」と言う人も正直多いのが現実です。


激安の恐ろしい官舎のイメージ

また駐屯地の周りに土地があまってるのに、なぜか少し離れた隣町に官舎がある事もあります。これは税収が厳しい自治地帯が官舎を誘致したり、一つの自治体にのみ税金が落ちないようにするバランス調整の結果になります。そうすると「官舎なのに自動車じゃないと通勤できない!」と不便なことも発生します。

もちろん築浅で駐屯地の近くにある官舎もありますが、大人気物件なので借りるのが難しいです。そんな官舎事情に嫌気をさして、賃貸アパートに住むたちも多いので「官舎でとても助かった」とはなかなかならないのが現実です。


こういう官舎は人気

では次に本題の通勤・退勤について解説をしていきましょう。

電車で通勤する人たち

陸上自衛官の中には電車で通勤する方も多いです。「えっ?電車で自衛官を見たことないよ?」と言う方も多いでしょうが、制服や迷彩服で電車に乗ると、トラブルに巻き込まれるリスクが高いため、スーツやオフィスカジュアルで出勤するのが一般的です。

ちなみに陸上自衛隊の駐屯地は僻地にあることが多いですが、都市部にもあります。都市部にある駐屯地は、旧日本陸軍や米軍の施設を流用したケースが多いのが特徴です。なお防衛庁時代は六本木にあり、バブルに浮かれる若者を横目に登庁する自衛官が多かったようです。

現在でも「市ヶ谷」「目黒」「札幌」「大宮」「名古屋(守山)」「福岡」などに駐屯地が存在します。ちなみに「せんだい駐屯地」には東北の大都市の「仙台駐屯地」と、鹿児島県の「川内駐屯地」があります。仙台駐屯地は東北の隊員から「東北の楽園」と呼ばれており、人気が高いですが、川内駐屯地は「芋焼酎がうまい」と評判です。
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ご飯も美味しそうな川内駐屯地:出典(https://twitter.com/Camp_Sendai/status/1363806227407405059)

ただ都市部の隊員は官舎に入るのは至難の業です。例えば市ヶ谷に転勤になった場合、官舎に入ろうと思っても「官舎は木更津か横須賀しかあいてません」と言われることも多く、サラリーマンと同様に電車通勤することになります。そして「通勤ラッシュがない田舎が良かったな」と嘆く隊員も多いのです。

満員電車のイラスト(会社員)

長距離ドライブする隊員

意外なようですが、私用車で長時間かけて通勤をしてくる隊員は田舎の方が多いです。これは「俺はちゃんとした街に住みたい!」と言い、わざわざ都市部に住んで、田舎駐屯地に長時間かけて通勤するが現れるからです。

では先ほどの通勤ラッシュに巻き込まれている隊員も「私用車で通勤すればいいのでは?」と思う方も多いでしょう。しかし都市部の駐屯地は狭い敷地に建物が密集しているため、私有車駐車場の割り当ては「中隊で3台まで」などというカツカツの駐屯地も多いです。

立体駐車場のイラスト(機械式)
立体駐車場なんてものは駐屯地にない

そうすると駐車場が病気や親の介護など、特別な事情のある隊員に割り当てられるので、私有車で通勤するのは難しくなります。一方、田舎駐屯地は「あそこから、あそこまで全部うち中隊の駐車場だよ。好きなところに駐車していい」と田舎の地主のような使い方をします。そうした理由で田舎駐屯地のほうが私有車で出勤する隊員が多いのです。中には大型バイクに乗って通勤する隊員も多く、「仕事終わったらバイクに乗れるから楽しい」と通勤を娯楽にしている隊員もいます。

カウルのついたバイクに乗る人のイラスト

エキストリーム出勤をするますらお

陸上自衛官の一部には「エキストリーム出勤」をする猛者が存在します。家から駐屯地まで15km以上離れているのにも関わらず、あえてジョギングや自転車などの手段を用いて出勤する隊員などをさします。

トレイルランニングのイラスト

なお15kmも普通の15kmではなく、富士山の麓から5合目にある駐屯地まで走ってくる人や、朝5時から近所の神社で石段を全力ダッシュしてから出勤する人たちもいます。彼らは通勤時間も体を鍛える「ますらお」です。

また例外ですが、ある離島には退勤時間になるとモリをもって、海に飛び込み強大なロウニンアジと戦う猛者がいました。彼は有名なますらお隊員で「夜の海では人間魚は全くの互角、どっちが命を落としてもおかしくない真剣勝負」と良くわからない話をしていました。手塚治虫の漫画ならロウニンアジに敗れて死んでますね。

魚をモリで突いているイラスト

つづく

気分次第で続きます。
防大編も書いてますよ、はい〜

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